倉庫内の湿気は、ジメジメとした不快感を与えるだけでなく、カビを発生させたり、そのカビを起因として保管物に被害を出したりと、企業にとっては見過ごせないものです。
そこでこの記事では、倉庫に湿気が溜まりやすい原因と湿気対策、湿気を放置しておく問題点について解説します。
ぜひ、湿気対策の参考にしてください。
【目次】
倉庫は湿気が溜まりやすい原因
倉庫で有効な湿気対策
倉庫で湿気対策が重要な理由
倉庫の湿気対策は重要!被害が広がる前に対策を
倉庫の湿度が上がってしまう原因は複数ありますが、おもに下記の3つが要因です。
多くの倉庫は、床や壁がむき出しのコンクリートでできています。
コンクリートは性質上、水分を吸収しやすく湿気を放出しやすいため、倉庫内の湿度が上がってしまうのです。
倉庫には、輸送や保管に使用する段ボールが多く置かれています。
段ボールは紙でできており、またその構造から湿気を吸いやすくなっています。
長時間段ボールを置いたままにしておくと、段ボールが吸った湿気がまた空気中に放出され、倉庫内はいっそう湿度が上がってしまうのです。
倉庫の換気設備が下記の要因で不十分なのも、湿気が溜まりやすい原因となっています。
窓を十分に開けられないために、湿気を外に逃せないケースがあります。
また、天井が高いために、空調によって生じた空気が上部にとどまったままだったり、広すぎて換気設備が十分な効果を発揮できなかったりするケースも見受けられます。
湿気が溜まりやすい倉庫には、湿気対策は欠かせません。
意識することでできることや、費用がかかる対策とありますが、下記の4つの対策を紹介します。
湿気を溜めない基本は、倉庫内に空気をこもらせないことです。
そのために必要なのが「換気」です。
換気する際には、ドアや窓を2箇所以上開けて、風の通りをよくします。
よくドアを1箇所だけ開けて、その周辺のみの空気が入れ替わっている状態を見かけますが、重要なのは内部の空気も入れ替えることです。
対角線上の窓やドアを開けると、風の通りがよくなり、効率的に空気を循環させることができます。
また、窓やドアの換気だけでなく、保管物の置き方でも湿気対策は可能です
倉庫内に隙間なく保管物を積み上げてしまうと、空気の循環が悪くなります。
倉庫内の保管物をできるだけ減らしたり、一部を別の場所に移動させたりして、スペースに余裕を持たせると良いでしょう。
保管物と壁の間に少し隙間を空けるようにして置くのも、空気の通り道ができるので有効です。
できるだけ倉庫内の空気を循環させ、通気性をよくしましょう。
湿気から守りたい保管物を、ストレッチフィルムで覆う対策もあります。
ストレッチフィルムとは、おもにポリエチレン(PE)で作られた伸びるフィルムで、輸送や保管時の荷崩れ防止などに使用されているものです。
ストレッチフィルムを保管物全体に巻きつけ、保管物とストレッチフィルムの間に除湿剤をはさむことで、保管物を湿気から守ります。
ストレッチフィルムの対策は、湿気のない環境に変えるわけではなく、あくまでも保護が目的ですので、換気が難しい場合の対策といえます。
規模があまり大きくない倉庫には、除湿剤や除湿器も効果的な対策になります。
除湿剤は、一般家庭用では広い倉庫には効果が薄いので、業務用の除湿剤を使用します。
材料は塩化カリウムやシリカゲル、形態は除湿マットやプレート、乾燥剤などさまざまな種類があるので、使用前には除湿剤の選定や、必要な量の計算が必要です。
また、除湿剤は定期的に交換する必要があります。
倉庫の規模が大きい場合は、すべてを除湿剤で対応しようとすると、長期的な目で見た場合はかなりのコストがかかってしまいます。
規模や期間を考慮しながら、部分的な対応が良いでしょう。
除湿器も倉庫の湿気対策に効果があります。
除湿器も家庭用ではなく、倉庫などでの使用を想定した業務用を活用しましょう。
能力は価格によって異なりますが、10万円程度のものから数十万円程度のものまであります。
使用する広さや用途によって選定しましょう。
倉庫の湿気対策に非常に効果があるとされているのが、シーリングファンです。
シーリングファンは天井に取り付ける大型の扇風機で、大きな羽がゆっくりと回転することで、上空の空気を攪拌(かくはん)し、空気の循環を促します。
シーリングファンは大きさや種類が豊富なため、倉庫の規模を問わずに設置が可能です。
広さや高さがあってもある程度の効果を得られます。
シーリングファンの利点は、音が静かなうえ、風量は一般的な扇風機の50台分に匹敵するので、湿気対策だけでなく作業員の体調管理にも有効なことです。
また、使用する電気料は家庭用ドライヤー1台分と省エネになります。
シーリングファンは、湿気対策として有効なうえ、作業員の体調管理にも役立つのでおすすめです。
関連記事:倉庫で重要な暑さ対策を整備面とグッズ面に分けて紹介
倉庫での湿気対策が重要な理由は、下記の5つです。
倉庫には、カビが発生しやすい以下の条件がそろっています。
そのため、放置しておくとカビが発生し、保管物や人体に影響を及ぼしてしまいます。
保管物が食品ならば、腐敗や変色など品質の低下が表れ、出荷できないような状態になるかもしれません。
作業員がカビから放出される微粒子の胞子を吸い込んでしまった場合は、アレルギーや喘息などの健康被害が引き起こされる可能性があります。
カビの発生は企業にとって、損失をもたらす存在なのです。
ダニや害虫にとって倉庫は、住処にするのに以下のような好条件がそろっています。
ダニの繁殖力はとても強く、1匹のメスは生涯で100個ほどの卵を産んで、増殖していきます。
もしダニのフンや死骸が人体に入ると、アトピー性皮膚炎やアレルギー性鼻炎、喘息などのほか感染症を引き起こす場合があるので、非常に危険です。
そのようなことを起こさないためにも、湿気対策や埃、汚れなどがないように整理整頓された、きれいな倉庫を保つようにしなければなりません。
湿気を放置しておくと、建物が劣化しやすくなります。
劣化が生じると、雨漏りなどにも進展してしまい、大幅な修繕費用が必要になる可能性があります。
また、劣化している建物は、地震などによる災害に対しての耐久性が低くなり危険です。
修繕コストや安全性を考え、湿気対策は早めに行うのが良いでしょう。
湿度が高い環境では、柱や屋根など建物の構造材料に水分が含まれ、腐食を起こしやすくなります。
また機械設備部分に結露が発生して、サビてしまうこともあります。
場合によっては機械部分がサビるだけでなく、水分によってショートや故障してしまうかもしれません。
建物や設備が腐食して不都合が起きると、高額な修理費用がかかる可能性があります。
湿度対策を早めに行ない、そのような事態を避けましょう。
湿度の高い環境は、カビやダニによって、アレルギーを引き起こすなど、従業員の健康を害してしまいます。
また湿度が高いうえに暑い日だと、倉庫の中は高温多湿となり、熱中症を引き起こすなど、作業員にとっては過酷な環境となるでしょう。
そして、何よりも湿度の高い不快な環境下での仕事は、従業員の作業効率が落ちてしまいます。
従業員の健康を守るためにも、効率の良い仕事をするためにも湿度対策は必要です。
関連記事:倉庫の耐用年数はどれくらい?寿命を延ばすポイントも解説
倉庫には、湿気が溜まりやすい条件がそろってしまっています。
そのため湿気を溜めないための対策は、必要不可欠です。
今回紹介した湿気対策は、下記の4つです。
これらを参考に、湿気を溜めない、快適な倉庫を目指してください。
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福本 浩一
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その頃に祖父から『子どもは宝』と教えてもらい地域の子ども達に喜ばれる貢献活動をすることの大切さを学ぶ。
大学卒業後、大手不動産会社へ入社。不動産業を学んだ後に、祖父の経営する会社へ入社。同時に青年会議所に入会する。
青年会議所で社会貢献や地域貢献について学び、祖父の経営する会社でも営業の傍ら社会貢献や地域貢献活動に尽力する。
社会貢献活動を通じて「他の企業にも社会貢献の重要性を広めたい」「社会貢献が当たり前」な社会を実現したいと考え、一般社団法人にっぽん福福を設立する。
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